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フードロスからフードシェアへ


フードロス

フードロス(食品廃棄)は世界規模で深刻な問題になっており、世界では年間約13億トンもの食品が廃棄されています。13億トンと言われるとピンと来ない数字ですが、日本では年間約612万トンが廃棄されており、その量は東京ドーム約5杯分に相当します。(農林水産省調査)


フードロスがもたらす問題


フードロスによって引き起こされる問題は大きく2つあります。


1. 食糧不足

今現在でも先進国を中心に大量のフードロスが起きている一方、発展途上国では食料が行き渡らず貧困を抱えている人々が約8億人も存在しています。世界的に見ると人口は増加し続けており将来的にもこのトレンドはある程度続くと予測されていすが、フードロスの問題を放置し続けるということは、食料不足を抱える人々を増やすことに繋がります。


2. 環境負荷

捨てられる食材は処理場に運ばれ可燃ゴミとして処理されますが、処理場までの運搬と焼却で多くの温室効果ガスを排出し、埋め立てにおいても環境負荷を生み出します。温室効果ガスの排出量の1位は中国、2位はアメリカですが、世界の食品廃棄から生まれる温室効果ガスは第3位に相当する量になります。

(出典 - https://olioex.com/food-waste/food-waste-facts/)


フードロスを無くすために


我々がこの問題を解決するためにすべきことは、日々の生活で食料廃棄をなるべく出さないように気を付けることです。必要以上の量を買わない。賞味期限の管理を徹底する。食材の食べられる部分は極力捨てない。などを意識しながら日々の生活を送ることが大事です。


しかし、家庭でのフードロスを完全に無くすことは難しいでしょう。そのような問題を解決するのがフードシェアサービスです。


■家庭のフードロスを削減する 「OLIO」

OLIO

(出典 - https://jp.techcrunch.com/2018/07/12/2018-07-11-olio/)


OLIOは家庭で廃棄される食材をユーザー同士でシェアできるサービスです。世界に500万人のユーザーが存在するイギリス発のアプリで、登録者は無料でこのアプリを使うことができます。


OLIOが提供するサービス

食材を提供するユーザーは余った食材などを写真に撮り、ピックアップ場所を指定します。そこに欲しいユーザーがリクエストを送り、受け取ったユーザーはリクエストの中から受取り手を選びます。既に3,400万食もの食材がユーザー間でシェアされた実績がある注目のサービスです。アプリを利用することで近所のコミュニティが活性化し、フードロスについてコミュニティ全体で意識を高めることができる作用が期待できます。


■店舗のフードロスを削減する「Too Good To Go」

Too Good  To Go

(出典 - https://jp.techcrunch.com/2021/01/10/2021-01-07-too-good-to-go-raises-31-million-to-fight-food-waste/)


Too Good To Goは食品廃棄を無くしたい店舗とそれを購入したいユーザーを繋ぐプラットフォームです。2016年にデンマークで生まれ、既に累計4,800万人ものユーザーを抱え、7.5万店舗がサービスに登録しています。ブランドの「Too Good To Go」には = 捨てるには良すぎる = 「もったいない」という意味があります。ユーザーも店舗もフードロス軽減の達成感を味わうことができる素晴らしいサービスです。


Too Good To Goが提供するサービス

アプリを通してユーザーは近くにあるサービス登録店舗を検索することができるようになります。店舗を選ぶとそこで発生した廃棄予定の食品を買い取ることができます。フードロスを無くせることに加え、店舗は廃棄予定の食品で利益をあげることができ、ユーザーは欲しい店舗の商品を安く手に入れることができます。店舗が販売する商品は「Magic Box」と呼ばれ、ユーザーは中に何が入っているか全てを把握することができないようになっています。何が入っているかわからないワクワク感がユーザー体験としての楽しみに繋がっているのです。店舗はサービスを通して、新規顧客の開拓やユーザーエンゲージメントの向上を期待することができます。


日本発のフードシェアアプリ「TABETE」

TABETE

(出典 - https://www.weekend-kanazawa.com/entry/tabete_kanazawa)


OLIOとToo Good To Goは2021年12月現在の日本では使えないようですが、日本ではTABETEというフードシェアアプリがあります。使い方はToo Good To Goと同じですが、TABETEでは店舗の食材を買うことを「レスキュー」と名付けています。ユーザーはレスキュー隊となりフードロスが出ている店舗をレスキューするのです。日本でのユーザー数は36万人を超え、利用店舗は1,500点店舗に広がっており成長を加速しています。(TABETE 公式ホームページ) 


実際に使ってみて近くにある店舗がTABETEに登録しているのを見ると、フードロスを改善する姿勢が伝わり企業に対するブランドイメージの向上を実感できます。


今までは食べ物を残さないという努力しかできませんでしたが、フードシェアアプリの登場で他人や店舗が残した物をシェアして食べるという方法でフードロスの問題にアプローチすることができるようになりました。


皆さんも毎日の食事を考える際に、フードシェアという選択肢も考えてみてはいかがでしょうか?



 

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