「香り」のマインドフルネス


香道

今回扱うテーマは「香り」です。

香りが人間の身体や心に及ぼす影響が非常に大きいことをご存知でしょうか。本記事では香りの効能と日本文化との関わりについてご紹介します。


香りの化学的効果

香りの種類は数十万種類に及ぶと言われており、種類によってリラックス効果や、集中力を高める効果など様々な効果があると期待されています。


香りは人の感情や記憶と密接に結びついてます。

嗅覚は人間の五感の中で唯一、直接大脳辺縁系に働きかけるものです。大脳辺縁は本能的な行動や喜怒哀楽などの感情を司るものなので、落ち着く香りを嗅げば心が落ち着いたり、華やかな香りを嗅ぐと心が明るくなったりと、感情に直接的に影響を与えることができます。また、大脳辺縁には記憶を司る「海馬」も存在しています。皆様も匂いと共に過去の記憶が蘇るような経験があるのではないでしょうか。ふと鼻に入る香りから昔住んでいた家や人を思い出したりすることがあるように、香りと記憶も密接に影響しあっています。


香りは記憶や感情を通して人の心身に大きな影響を与えるため、医学的観点からも注目されています。アロマテラピーという言葉を聞いたことがある方は多いと思いますが、これは植物から抽出した香り成分である「精油」を使って、心と身体の健康に役立てていく自然療法を指します。最近では花王や資生堂など大手企業も香りの効能に注目しており、その効能を生かした商品開発などを進めているようです。


香りの種類と期待される効能

効能と代表的な香りを簡単にまとめると以下のようになります。


リラックス

ラベンダー、カモミール、ジャスミン


リフレッシュ

ベルガモット、レモン、ミント、ティーツリー


集中力

レモン、ユーカリ、ローズマリー


気分向上

ローズ、ネロリ、オレンジ


自身の精神状態やシーンに合わせて香りを選んだり、組み合わせたりするとより効果的に香りの効能を実感できるかもしれません。

精油

茶道、華道、「香道」

香りは実は日本文化にとって非常に関わりが深いものでもあります。

茶道、華道、香道を合わせて日本の伝統文化三道と称されているのをご存知でしょうか。香道とは、香木(こうぼく)と呼ばれる良い匂いを漂わせる木を使って香りを楽しむ芸道です。

香道

(出典 - https://www.premium-j.jp/japanesesenses/20200225_8413/#page-1)


香道の世界では香りを嗅ぎ分けることを香りを「聞く」といいます。

聞くと表現する理由は、香木の香りを通じて自然や地球の声を聞くことで自然と一体化し、同時に自身と向き合うためとされています。この考え方は禅に通ずるものがあり、座禅を組むときに禅香と呼ばれる瞑想を促す香りを焚くことからも香道と禅の親和性が伺えます。


とはいえ茶道や華道は知っていても、香道を知らない方は多くいるのではないでしょうか。その理由は香道で使用する香木が非常に貴重で多くの門下生を受け入れることができないためです。


香木の種類と希少性

香木には大きく3つの種類があります。


白檀(びゃくだん)

葉や樹皮はほとんど香らず、心材部分に爽やかな甘い芳香を持つ木です。英名はサンダルウッドと呼ばれます。インド産のものが最高級とされています。


白檀

(出典 - https://www.nipponkodo.co.jp/iyashi/culture/fragrant_wood.php)


沈香(じんこう)

枯木のや虫食い等の様々な原因で傷つけられた木が、治癒のために自ら樹液を出します。長い年月をかけて土中に埋まりながら、その樹液に真菌類が作用して薫香を発する樹脂が生成され沈香ができます。普通の木よりも比重が重いため「水に沈む」ことに由来しています。沈香ができるまでには最低でも50年はかかるとされており、偶然性も高いことから非常に貴重なものとされています。


沈香

(出典 - https://www.nipponkodo.co.jp/iyashi/culture/fragrant_wood.php)


伽羅(きゃら)

沈香の最高級品にあたり1gで数万円するものがほとんどです。ベトナムのごくわずかな地域でしか取れず、非常に深遠で多層的な香りを持っています。


伽羅

(出典 - https://www.nipponkodo.co.jp/iyashi/culture/fragrant_wood.php)


香道の楽しみ方

香道には「組香」(くみこう) という楽しみ方があります。席主(せきしゅ)になる人が香木を刻んだものを複数用意し、順番に参加者に回していきます。参加者は回された香りを聞きいて名前を紙に記載し、正解数を競います。情景や名所、文学をテーマにして楽しむ場合もあり、教養も問われる遊びです。


香りを生活に取り入れる

香道は香具と呼ばれる専門的な道具が必要になるため家庭で実践するのは難しいですが、東京や京都のお寺で香道体験ができる所がありますので、一度体験してみてはいかがでしょうか。もっとカジュアルに楽しみたいという方には、香水やディフューザーを使って香りのある生活を楽しんでみましょう。家庭で過ごす時間が増えている今、リラックスしたい時やリフレッシュしたい時など、それぞれのシーンにあわせて香りを取り入れることで生活に彩が生まれるはずです。


KENGOWESTでも香りにまつわるプロダクトの開発を進行中です。サステナブルで地球環境に配慮しながら、香りの力で人々をエンパワーするプロダクトをお届けするその日を楽しみにして頂けると幸いです。ご意見ご要望ございましたら、お気軽にケンゴウエスト公式InstagramよりDM下さい。